フリーランスITエンジニア:SASプログラマーの需要、将来性

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SASプログラマーというと、かなりニッチな分野に属することになるでしょう。SASプログラマーはIT業界の会社員ではなかなか経験する機会がなく、主に製薬業界や金融業界の出身者が転身してフリーランスになることが多い職種です。SASプログラマーにはフリーランスでの需要はあるのでしょうか。

SASの歴史

SASとはStatistical Analysis Systemの略称であり、このシステムはSAS Instituteというアメリカの会社が開発した統計ソフトです。もともとこのソフトはある研究機関でのみ使用されていたかなりニッチな言語で、ノースカロライナ州立大学で使用されていました。1970年代になると、この大学以外にも顧客が100個ほど集まるようになり商業の世界でも需要があることが分かったSAS社はこのソフトを本格的に商売として売るようになったのです。1990年代になると、教育部門がSAS社内で設立されるようになり、学校向けのライセンスも導入しています。

このような背景があり、SASは元々解析ソフトになるのですが、商業的にも色々な業界に需要が出てきたことから、システム開発にも使えるようになりました。現在では、製薬業界を筆頭に、金融、保険、通信、流通、インターネット業界でも使用されるようになり、用途もデータ分析だけでなく、システム開発でも使用されることになりました。

SASプログラマーの平均年収

以下のものはプログラマー全体の平均年収になります。プログラマーの年収はそれほど高くはないことが分かります。しかしフリーランスとなるとかなり年収は上がっていくのが実情です。

Source : 求人ボックス

SASプログラマーのフリーランスの月収は60万~70万前後になります。これは他の言語のプログラマーよりも高年収です。これに付け加えて、さらに統計学にも特化している場合は、月収100万以上が狙えるレベルになります。理由としては以下のようなものがあります。

希少価値

SASプログラマーの数というのはそれほどいません。主にSASプログラマーの需要は製薬業界に限定されており、数自体がいないことから、開発プロジェクトもSASプログラマーの確保にかなり苦しんでいるというのが実態。そのため、単価が上がりやすいという背景があります。SASプログラマーは仕事を選び放題になります。

転職が少ない

SASプログラマーの特徴としてはあまり転職をする人がいません。IT業界に比べるとSASプログラマーの転職回数は少なく、製薬業界の中を転々とする方がほとんどです。そのためか、流動性がないため、人材が市場で出回ることがあまりないのです。そのため、SASプログラマーの価値は必然的に高まります。

SASプログラマーの将来性

SASプログラマーの将来はとても明るいです。というのも、製薬業界というとても潤った業界で需要があるため、社会不安や景気変動に左右されにくい実態があります。ただしこれはサラリーマンの話で、フリーランスのSASプログラマーとなると、やや不安定になります。SASプログラマーの単価はとても高いのですが、その一方で、仕事量がそれほど多くありません。SASプログラマーでフリーランスをやっている方は、個人のコネクションで仕事を取るか、フリーランスエージェントをたくさん登録して紹介してもらっているパターンに限定されます。これからSASプログラマーとしてフリーランスをしたい方はできるだけフリーランスエージェントに多く登録をしましょう。

SASプログラマーの必要なスキル

SASプログラマーとしてやっていくには以下のようなスキルが最低限必要です。

他のプログラミング言語

SASプログラマーの場合、SASしかできない方が多いのですが、フリーランスになる場合は他のツールやデータベースも知っておく必要があります。というのもSASだけで仕事をするというケースはとても稀で、そこに必ずOSやフレームワークなどが関与してきます。最低でもSQLやOracleなどを使えるようになっておいた方がいいです。

統計学の素養

SASプログラマーだけでやっていくとなると、案件の数が少ないためブランク期間が発生する可能性もあります。統計学の素養を身に付けると、すべての業界で需要が生まれ、仕事をたくさん受けることができるようになります。統計ができると、月収100万以上も狙えますので、できたほうがいいです。

外国語の素養

SASプログラマーはSASというニッチな言語を使うこともあり、技術的な問題が起こった場合は、外国語のウェブなどで検索して解決策を調べることが多いです。ほとんどの場合、英語やフランス語、巣ペン語などで書かれているウェブサイトも多いので、読めるレベルの外国語の素養はあった方がいいです。

SASプログラマーの需要

SASプログラマーの需要としては以下の業界で多いです。

製薬業界

SASプログラマーの圧倒的な需要は製薬業界にあります。製薬企業、もしくは多くのCRO企業におけるデータマネジメント、統計解析、さらには臨床薬理などの部門でSASの需要が極めて高いです。ただしSASプログラマーの需要はありますが、どちらかと言うと社員雇用が多いため、フリーランスエージェントに登録をしてもなかなか仕事の依頼が来ないこともあります。

システム業界

SASプログラマーはシステム業界でも一定の需要がありますが仕事の数は多くありません。システム業界であればミドルウェアでSASを使っていることが極めて多いです。そのため、開発の仕事はシステム業界であればそこそこあります。しかし時期によっては一切案件がない時期もあります。

データサイエンティストとしての需要

SASプログラマーというよりはデータサイエンティストとしての需要になりますが、金融や保険の業界でも需要があります。データサイエンティストとして、分析業務がありますので、かなり高い需要があると思ってもらって間違いありません。もちろん金融だけでなく、流通、インターネット、さらには小売業などでも需要はとても高いです。この分野であればフリーランス市場でも多くの案件がありますし、かなりの高単価です。100万円を超えるものが多いです。

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