VBAはマイクロソフトオフィスに搭載されているプログラムです。そのため、IT業界の人だけに限らず、オフィスソフトを使っている職種の方であれば、比較的なじみの深い言語なので、挑戦している方も多いと思います。昔からある言語ですが、この言語をできるようになっても、プログラマーとは言えないと評価する人がいるのも事実です。
VBAとは？どんなものか
VBAとは 「Visual Basic for Applications」 の略で、主に Microsoft Office製品（Excel、Word、Accessなど） の操作を自動化するためのプログラミング言語です。初心者でも比較的学びやすく、業務効率化で広く使われています。以下に具体的に整理します。
1. VBAの基本概要
- 種類：プログラミング言語の一種（Visual Basic系）
- 用途：Officeソフトの自動化、定型作業の効率化、簡単なアプリ作成
- 組み込み環境：ExcelやWordの「開発タブ」からVBAエディタを開いて書ける
2. VBAでできること
(1) Excelでの例
- 複数シートのデータをまとめる
- グラフや表を自動作成
- 条件に応じたデータ抽出・加工
- ボタンを押すだけで作業を自動化
(2) Wordでの例
- 書類の定型フォーマットを自動作成
- 大量文書の一括編集や置換
(3) Accessでの例
- データベースの自動更新や集計
- レポート作成の自動化
3. VBAの特徴
- Officeに特化
- Web開発やゲーム開発には向かない
- 習得しやすい
- 比較的直感的な文法で、初心者でも取り組みやすい
- マクロとの連携
- ExcelやWordの「マクロの記録」機能で自動操作を記録し、VBAコードに変換できる
4. VBAを使うメリット
- 作業時間の大幅短縮
- 手作業で数時間かかる処理も数秒〜数分で完了
- ミスの削減
- 定型作業を自動化することで人的ミスを防止
- 業務の効率化・自動化
- 繰り返し作業や大量データ処理を簡単に自動化できる
💡 まとめ
VBAは、主にExcelやWordなどのOffice製品で作業を自動化するためのプログラミング言語です。
- 向いている用途：データ集計、資料作成、定型作業の自動化
- メリット：効率化、時間短縮、ミス削減
- 特徴：初心者でも学びやすく、Officeと密接に連携
VBAプログラマーじゃないと言われる理由
「VBAプログラマーじゃない」と言われる理由には、VBAを使った業務経験やスキルが不足していることやプログラミングとしての自立度が低いことが関係します。具体的には以下のようなケースがあります。
1. VBAを使った実務経験がほとんどない
- Excelマクロを「ちょっと使っただけ」や、単純なコピー・貼り付けの自動化程度しか経験がない
- 実務で複雑な処理や複数シート・データベース連携を扱ったことがない
2. コードを書かずにマクロ記録だけで済ませている
- Excelの「マクロの記録」機能だけで自動化している場合
- VBAを自分で理解して書き換えられないと、プログラマーとしては評価されにくい
3. 他言語とのスキルがない
- VBA単体で業務効率化はできても、PythonやSQLなどとの連携や汎用的な開発経験がないと「VBAプログラマー」とは言いにくい
- 他のプログラミング知識がないと、VBAの限界を超えた処理ができない
4. プログラミング的思考が身についていない
- 変数・ループ・条件分岐など基本構造を理解していない
- コードの可読性や再利用性を意識せず、場当たり的に書く
5. 自動化・効率化の成果が見えない
- VBAを使った作業改善の実績が明確に示せない
- 作業効率化のアイデアを自ら考え実装できない場合
💡 まとめ
「VBAプログラマー」と認められるには、単にマクロを動かせるだけでなく、
- VBAを自分で書ける
- 業務改善や自動化の成果を出せる
- プログラミング的思考がある
- 必要に応じて他言語やツールとも連携できる
これらが揃って初めて「VBAプログラマー」と評価されます。
VBAプログラマーの良い点と悪い点
VBAプログラマーには独特のメリットとデメリットがあります。Officeに特化した業務効率化が得意ですが、汎用的なプログラミングには向かない点もあります。以下に整理しました。
【良い点】
1. 業務効率化が得意
- ExcelやAccessなどで大量データ処理や定型作業を自動化できる
- 毎日の繰り返し作業を短時間で終わらせられる
2. 習得が比較的簡単
- 文法がシンプルで初心者でも理解しやすい
- マクロ記録機能を使えば、すぐに自動化が体験できる
3. Office製品との親和性が高い
- Excel、Word、Outlookなど、ビジネスの現場で使いやすい
- 社内資料作成、レポート、データ集計などで即戦力になれる
4. プログラム経験が少ない人でも活躍できる
- 開発経験が浅くても業務自動化で成果を出しやすい
- 「業務改善担当」として社内で評価されることもある
【悪い点】
1. 汎用性が低い
- Webアプリやモバイルアプリ、クラウド開発などには向かない
- VBAだけだと、プログラマーとしてのキャリア幅が狭い
2. パフォーマンス・拡張性に限界がある
- 大量データや複雑な処理ではExcelの動作が重くなる
- 他システムやデータベースとの連携が難しい場合がある
3. 社外評価が限定的
- VBAは社内業務に特化しているため、転職市場での評価は限定的
- 他のプログラミング言語（PythonやJavaなど）の経験と比べると汎用性は低い
4. 最新技術との距離
- クラウドやAI、Web系の新しい技術に直結しにくい
- 業務効率化以外の開発案件には弱い
VBAプログラマーの将来性
VBAプログラマーの将来性は一言で言うと 「短期的には需要があるが、長期的には限定的」 と考えられます。理由を整理すると以下の通りです。
1. 短期的な需要
- 企業のOffice業務自動化には依然として有効
- ExcelやAccessでの大量データ処理、定型作業の自動化は多くの会社で必要
- 社内業務改善の即戦力
- VBAスキルがあれば、プログラム未経験者でもすぐに成果を出せる
2. 中長期的な課題
- 汎用性が低い
- Web開発、クラウド、AI、データサイエンスなどの分野には直結しない
- 新しい技術に置き換わる可能性
- Power Automate、Python、RPA（UiPathなど）の台頭により、VBAに依存しない自動化が増加
- 社外での評価が限定的
- VBAだけの経験では転職市場での価値は低く、キャリアの幅が狭い
3. 将来性を高める方法
- VBA＋PythonやRPA
- VBAで培った自動化スキルを、PythonやRPAに応用
- Officeと他システム連携
- SQLやAPIと組み合わせて、より複雑な業務自動化に挑戦
- 業務改善コンサル的役割
- 技術だけでなく、業務フロー改善や効率化提案もできる人材になる
💡 まとめ
- 強み：Office業務自動化で即戦力、初心者でも成果を出しやすい
- 弱み：汎用性・拡張性が低く、長期的には他技術に置き換わるリスクがある
- 将来性を高める方法：VBAスキルを他の自動化ツールや言語と組み合わせ、業務改善力を持つ人材になる
VBAプログラマーとしてのキャリアパス
VBAプログラマーとしてのキャリアパスは、単にVBAを使い続けるだけでは限定的ですが、スキルを広げることで将来的にも価値のあるキャリアを築けます。以下に具体的に整理しました。
1. 初期キャリア（新人〜経験1〜2年）
役割
- ExcelマクロやAccessでの業務自動化
- 定型作業やデータ集計の効率化
- 簡単な帳票作成やレポート生成
ポイント
- VBAの基本文法、マクロ記録、簡単な関数・ループ・条件分岐を習得
- まずは「業務効率化で成果を出す」ことが評価の中心
2. 中堅キャリア（経験3〜5年）
役割
- 複数シート・複数ファイルの自動処理
- データベース連携（AccessやSQL）
- 他の部署向けの業務改善ツール作成
- 後輩の指導やマニュアル作成
ポイント
- VBAの応用力を磨き、社内の業務改善コンサル的存在になる
- 他の言語（Python、SQL、RPA）やBIツールとの連携を学ぶ
3. 上級キャリア（経験5年以上）
役割
- VBA＋他言語／RPAを使った社内システム構築
- 業務フロー全体の効率化、改善提案
- 社内の自動化戦略を設計・導入
- プロジェクトマネジメントや教育担当
ポイント
- VBAスキルを核に、業務改善・自動化の専門家としての立場を確立
- PythonやPower Automateなど、より汎用性のあるツールを組み合わせて価値を拡張
4. キャリアの拡張例
- RPAエンジニア：UiPathやPower Automateを習得し、社内自動化を推進
- データアナリスト／BI担当：Excel・Access＋SQL＋BIツールでデータ分析
- 業務改善コンサルタント：VBAや自動化ツールで社内改善提案
- ITエンジニア（汎用言語）：Python、Javaなどを学びシステム開発全般へ
💡 まとめ
- VBA単体でのキャリアは短期的には安定するが、長期的には他ツール・言語と組み合わせることが重要
- 成功するVBAプログラマーは「業務効率化の専門家」として価値を高め、必要に応じて汎用プログラミングや自動化ツールにスキルを広げる
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